本コラムは転換期を迎える現代のビジネスパーソンのために「考える」をテーマにしたトピックを毎月お届けしています。
今シリーズではプロジェクトマネジメントの手法を用いて業務実行の管理を行うノウハウや手法をご紹介しています。
前回は「スケジュールマネジメント」について。特に実行段階でのコントロールについて分析手法やプロジェクトに遅延が起こった時の対応について述べました。
今回は引き続きスケジュールマネジメントについて。特に実行段階におけるタスク管理に注目してご紹介していきます。
生産性を高めるタスク管理のヒント
計画通りのスケジュールで業務・作業を遂行するためには、ゆとりあるスケジューリングはもちろんのことメンバーの生産性向上や個々のタスク管理も必要です。
また、スケジュールマネジメントにおいてはマネージャー自身はもちろん個々のメンバーが正しくタスクの進捗状況を把握しなくてはなりません。
効率的なタスク実行のために
業務のスケジュールが定まり、タスクの洗い出しや優先順位が決まり、いよいよ実行…というところであなたはどのような順番で作業に取り組むでしょうか?
最重要なタスクや緊急のタスクは先に取り組むとして、それ以外のタスクを効率的にこなす際に有効なのが「タスクバッチング」という手法です。人間の脳は1つのことに集中している時が最もパフォーマンスが良いと言われています。タスクバッチングは似たようなタスクを1つのグループにまとめて連続的に作業することで「思考の切替え」の回数を減らして生産性を高めます。
過剰なマルチタスクによって思考の切替えが多いことは、生産性を低下させるだけでなく、それまで熱心に仕事に邁進していた人が、突然やる気を失ってしまうバーンアウト(いわゆる燃え尽き症候群)のリスクを高めます。
メンバーがバーンアウトにならないためには、タスクの進捗管理で過剰な負荷がないかの確認が必要です。タスクの量はもちろんのこと、過剰なマルチタスクになっていないかにも注目すると良いでしょう。タスクバッチングの推進も対策のひとつです。
円滑なコミュニケーションで進捗を確認する
タスクの進捗状況をしっかり確認できていなければ、適切にスケジュールをコントロールすることはできません。
また順調にタスクが完了していても進捗の共有が遅れたり不確かな場合も適切なコントロールがしにくくなるでしょう。
ガントチャートなどリアルタイムに共有できる管理ツールの活用や、報告が的確かつ適切になるようあらかじめタスクを細分化しておくのがおすすめです。
そして、進捗状況の確認では、作業の遅れやトラブルなどマイナス面の報告が最も重要な情報です。そのためチーム内での心理的安全性の確保は進捗管理において重要であると言えるでしょう。
【参考】
心理的安全性もまた、チームの生産性を高める手法のひとつであることは以前に述べたとおりです。
タスクの実行がなければ業務の進行はありません。業務管理においてはスケジュールのコントロールと合わせて生産性を高めるようなタスク管理も促してみてはいかがでしょうか。
次回はコストマネジメントについて。スケジュールと同じく重要である管理要素です。
ピンバック:【コラム4-4】業務遂行におけるコストマネジメント – シンキングパートナーズ合同会社