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【コラム2-11】現代のビジネスパーソンが身につけるべき「仮説思考」とは

本コラムは転換期を迎える現代のビジネスパーソンのために「考える」をテーマにしたトピックを毎月お届けしています。

前回ご紹介したのはピラミッドストラクチャーについて。

【コラム2-10】ピラミッドストラクチャーで伝えたいメッセージを論理的に整理する

若手社員を想定した問題解決能力を育む思考法やフレームワークをご紹介してきた今回のシリーズも残すところあと2回。今回は問題解決に必要な「仮説思考」についてです。

問題解決に必要な仮説思考

仮説思考とは、情報収集や分析よりも先にまず「仮の結論(仮説)」を設定し、検証することで真の結論を導こうという考え方です。限られた時間と情報の中で問題解決へ向けてスピーディーに取り組むための必須スキルと言っても過言ではないでしょう。

また、仮説思考には「間違いに早く気がつく」という側面もあります。間違った方向へ大きなリソースを費やすことなく、修正を繰り返しながら本当に費やすべきところへ集中できるというのもメリットのひとつです。

仮説検証のステップ

それでは、具体的に仮説思考を実践するにはどのようにしたら良いのでしょうか?

①仮説を立てる

あくまで仮の結論とはいえ、なんの根拠もない思いつきでは仮説になりません。最初の仮説に「So What?(だから何?)」の問いかけを行って内容を深めると良いでしょう。

参考)

【コラム2-3】クリティカル・シンキングで本質を見極める思考を手に入れよう

例えば「内定辞退率が高い」という問題があった時、「学生にとって魅力的な情報が伝わっていないのでは?」という仮説を立てたとしましょう。

So What?の問いかけを繰り返すことで「実績や福利厚生などの情報が内定後の資料に不足しているのではないか」「そもそも、時代とともに学生の価値観が変化して魅力的とされる情報が変化しているのではないか」といった仮説が考えられます。

②実行しデータ収集を行う

仮説に基づいて施策を実行に移し、検証に必要なデータを収集します。先ほどの例で言えば、内定辞退者へアンケートを行い本質的にどのような理由で内定を辞退したのか客観的なデータを収集できます。

あらかじめ仮説を設定することでアンケート調査の設計もスムーズになり、漫然とした調査になるのを防ぐことができるでしょう。
③分析を行い仮説を検証する
実行した結果をもとに仮説を検証します。はじめに立てた仮説はまず間違っていると考えることも必要です。思い込みに走らず、クイックに仮説を修正しながら実行・検証を繰り返していくことで真の結論へ近づいていくことができます。

「ある事業に着手するかどうか」といった大きな仮説であれば、いきなり大きな施策に着手するのではなく小さな施策から行い、検証と仮説の修正を繰り返しながら対応する内容を大きくしていくと良いでしょう。

現在の状況を把握したり検討中の仮説を整理するためにも、これまでご紹介してきたMECEやロジックツリーといった情報を分類・構造化する手法が有効に活用できます。

仮説思考もまた他の思考法やフレームワークと同じく一度学んで終わりというものではなく、日頃から実践することで磨かれていくスキルです。

また、いかに仮説を立てられたとしても収集したデータの分析が適切に行われなければ検証結果が的外れになってしまいます。次回は分析の手法についてご紹介していきます。