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【コラム2-9】目標達成にも活用されるロジックツリー

本コラムは転換期を迎える現代のビジネスパーソンのために「考える」をテーマにしたトピックを毎月お届けしています。

ここまではwhat・why・how3種のロジックツリーをご紹介してきました。

whatツリーについてはこちらから

【コラム2-6】問題解決へ一歩踏み出す要素分析 whatツリー

whyツリーについてはこちらから

【コラム2-7】根本原因を見つけ出す原因分析 whyツリー

howツリーについてはこちらから

【コラム2-8】改善策の決定に導く問題解決howツリー

howツリーによって具体的にやるべきことが明確になり、あとは取り組んでいくのみです。ここでもう1つご紹介したいのが、KPIをこれまでと同様にツリー状に整理するフレームワークである「KPIツリー」です。

KPIツリーとは?

KPI(重要業績評価指標)を構造化して整理して把握しやすくし、また達成度合いを数値化してツリー化して示すことで目標達成の管理も用意にするのがKPIツリーです。

作成にあたっては、まずKGI(Key Goal Indicator: 重要目的達成指数)を大目標とし、それを達成するための重要な要素となるKPIを設定します。KPIはKGIの中間指標となっており、下層には大きなKPI達成のための小さなKPIが設定されることも。

KPIツリーを作成することにより、最終目標の内容やそれを達成するための要素、それぞれ要素ごとの達成に必要なアクションを明確にチーム全体で把握できます。

ここで、新規採用におけるKPIツリーを考えてみましょう。大目標となるKGIひとつに対し、複数のKPIツリーが下層に連なります。これまでのロジックツリーのようにMECEな分類に留意し、要素を因数分解していきます。

例えば新規採用数の目標数値をKGIとした場合、内定承認率と内定者数、またその内定者数を確保するために必要な面接者数と面接通過率は…というように、ツリー状に要素を整理することで各要素の目標数値を設定しやすくなります。

KPI設定時の注意

定量化できること

KGIにも言えることですが、必ず数値として計測可能なものをKPIとして設定します。言葉や概念だけでツリー化せず、KPIの内容とともに採用数などの人数なら「人」、内定率などの割合なら「%」といった単位で具体的にするようにしましょう。

KGIと結びついた内容であること

いくらKPIを達成していたとしても、最終的な目的と合致していなくては意味がありません。漫然とKPIを設定するのではなくKGIからはじめKPIをツリー化することにより、指標ごとの整合性を図ることが重要です。

実行・改善可能であること

定量的かつKGIに基づいていても、例えば「内定率を100%にする」など実現性に乏しい数値の設定は不適当です。howツリーの考え方と同じく、効果の大きさと併せて実現の可能性についても考慮して数値の設定や優先順位を決めると良いでしょう。

KPIツリーの運用

KPIツリーは完成して終了ではなく、運用しながら内容を見直すことが重要です。応募率や内定率に変動はないか、よりKGIにインパクトのある要素は何か、内部環境・外部環境の変化など明らかになった事実からKPIツリーや目標値を練り直すことでより良い運用につなげることができます。

KPI達成のためには、担当者だけでなくチーム全体で取り組む必要があります。この際にKPIツリーとして整理されていることで、誰にとっても最終目的やセクションごとの目標数値・具体的なアクションに至るまで把握しやすくなるでしょう。

もしこれまでKPIが上手く設定できなかった方も、what・why・how3種のロジックツリー作成を経れば、よりスムーズにKPIツリーの作成や運用をできるでしょう。

次回は、もう1つのロジックツリーと似たフレームワークである「ピラミッドストラクチャー」についてご紹介します。