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【コラム(3)】分析思考と創造思考で「未来を考える」

本コラムは転換期を迎える現代のビジネスパーソンのために「考える」をテーマにしたトピックを毎月お届けしています。

前回は、まずはじめに重要な思考の「目的」についてご紹介しました。

>> 第2回コラムはこちらから <<

【コラム②】〇〇のない「考える」行為は無意味だ

今回はビジネスで主に用いる「分析思考」と「創造思考」の違いを整理しながら、事例と併せてご紹介します。

簡単に言えば分析思考は左脳で考え、創造思考は右脳で考えるということ。皆さんがご存知のように、左脳は論理や分析を得意とし、右脳は感覚や勘に長けているといった違いがあります。

よって分析思考と創造思考では、その目的はもちろんのこと答えを導き出すためのメソドロジー・プロセス、フレームワーク等、解決に向けたアプローチが異なります。

さて、具体的な違いを紹介する前に、ここで「問題とは何か?」を整理しましょう。

問題を解決するためには、発生している事象を正確に把握しなくてはなりません。そもそも「問題」とは「あるべき姿と現状とのギャップ」なのです。

あなたのビジネス・業務において本来あるべき姿はどんなものか、また現状はどうなのか。この差を捉え、ギャップを埋めていかなくてはなりません。これこそが分析思考の主たるプロセスです。

この問題が起きているのはなぜか?

その要因を生み出しているのはどれか、またそれはなぜか?

分析思考では、論理的に「なぜ?」という問いを繰り返しながら原因を探り、解決策を導き出していきます。

クリエイティブに考えるということ

そんな分析思考に対して、創造思考とはどんなものでしょうか?

まず「こうありたい」という姿を描き、必要な機能などを描く。またその実現方法を描きつつ、阻害要因を考えていく……それはまるで新進気鋭のアーティストのように、選ばれた人に与えられた天啓のように感じられるかもしれません。

しかし、創造思考にはしかるべきプロセスや手法があり、正しい専門知識と実践によって特別な人でなくても獲得することができるものです。

ここで、ひとつ事例をご紹介しましょう。

我々の思考の整理やアイディアの創出に使われる「ポスト・イット®」は、まさに創造思考の産物です。

世界有数の化学起業であるアメリカの3M社では、当時ある研究者が強力な接着剤を開発していました。しかし、できたのは粘着力の低い試作品。

通常であれば粘着力を強くする方向で様々な改善が行われることでしょう。しかし、ここで開発者はあることを思い出しました。

それは「本から落ちてしまう栞」。この “粘着力が弱い” 接着剤を使えば、落ちない栞ができるのではないか? そんな発想から、ポスト・イット®が生まれることとなりました。

固定観念や既成概念を取り払い、斬新なアイデアを出すこと。これは「水平思考」と呼ばれ、創造思考の一種です。分析思考だけでは到達しにくい独創的な解決手法を導き出すことができると言われています。

このポスト・イット®の事例は、水平思考のうち「概念拡散発想法」を用いています。どんなアイディアでも質より量で柔軟に発想していき、ある概念を異なる事象へ転用できないかと検討していく手法です。

未来を考える

100年に一度の大変革期と言われる自動車業界。またウィズコロナ、アフターコロナに続く「ニューノーマル」の未来が控えています。

いかに「未来を考える」ことができるか。

計画し、実行に移すことができるか。

これがマーケットにおいて自社がリーダーとなり得るかを左右します。

創造には「既存の延長線上に展開されるもの」と「まったくの無からの創造されるもの」があります。

今回の事例は、まずこの前者についてご紹介しました。「未来を考える」には、後者の観点が重要です。

次回からは、シンキングパートナーが独自にアレンジしたフレームワークの活用によって、さらに一歩進んだ「無からの創造」へのプロセスをご紹介します。

共に考え、コンサルタントがお客様に寄り添って考える。

シンキングパートナーズでは大手企業で培ったコンサルティング手法や考え方を、どのような規模のお客様に対しても提供できるコンサルティングサービスを目指しています。

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